キャズム
米国のハイテク関連マーケティングコンサルタントであるジェフリー・ムーアが同名の著書において提唱した概念。
一般的にテクノロジー関連の製品ライフサイクルはベル型の標準偏差のグラフによって示され、その各段階でターゲットとすべき顧客として、(1)「イノベーター」、(2)「アーリー・アダプター」、(3)「アーリー・マジョリティ」、(4)「レイト・マジョリティ」、(5)「ラガード」といった顧客セグメントに分類される。これらのセグメントにおいて新製品は、(1)→(2)→(3)→(4)→(5)という順番で普及して行くと考えられている。そして、通常、この顧客セグメントによって、異なるマーケティング施策を行いながら、徐々に新しいテクノロジーの顧客層を広げていくことが推奨されている。
しかし、これに対してジェフリー・ムーア氏は、同名の著書によって、明らかにしたのは、イノベーターとアーリー・アドプターで構成される初期市場と、アーリー・マジョリティやレイト・マジョリティによって構成されるメジャー市場のあいだには、容易には越えがたい「キャズム(深いミゾ)」あるということを主張した。これによって明らかになったのは、顧客セグメントの違いによって生み出される、このキャズムを超えなくては、新しい商品はメジャー市場でブレイクすることなく、当初は順調な売れ行きを見せても、やがて規模の小さな初期市場のなかでやがては消えていくことになる、ということである。
なお、同著は発売後約10年間にわたって米国ハイテク業界のバイブルと言われ、現在でもMBAなどにおいて教科書的な存在に位置づけられている。


